2013年09月14日

第3回八千代市N-1グランプリに参加してきました!

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↑ 今年は誰の手に?!

9/13(金)に、3回目となる八千代市N-1グランプリが開催されました!

今回の会場は、昨年よりさらに広く「やちよ農業交流センター」のふれあいモール。
有り難いことに、3回目も消費者特別審査員ということでお招きを頂きまして、今回もなび長男と一緒に受付開始の18時を目指して向かいました!

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⇒やちよ農業交流センターに関するレポートはこちら

審査方法が大幅に変更された第3回。
特色のひとつとして、消費者審査員は事前申し込みの枠に加え、当日飛び入り参加もOK!という点でしたが、開始時刻の18時半に近づくに連れて続々と参加希望者が!聞けば、事前に申し込んだ方より、飛び入り参加の方のほうが多かったとか。
梨直売シーズン真っ只中で、なかなか昼間に仕事を離れられない生産者の都合もあって、夜に行われてきたこのイベントですが、遅めな時間帯にも関わらずお子さん連れの方がほとんどでした。

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↑ こんな夜の雰囲気が、子どもたちには新鮮な感じ?みんなテンションが高かった!

最初は農業センターの第1・2研修室を利用する予定だったそうですが、急遽正面の入口を入った真ん前のスペース(=ふれあいモール)に椅子を並べ、空間を贅沢に使ったイベントとなりました。
その会場からは、窓越しに調理室が見えるのですが、これから試食に使われる梨のカット作業が!
この大会に参戦するのは、20〜30代の若手梨農家で構成される八千代市梨業組合研究部15名(卒・入部があり、昨年より1名分増えたようです!)。ということは、15種類の梨を数玉ずつ剥くわけですからね、あまり早く始めても変色してしまいますし、そりゃもう必死な作業です。

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↑ 今日のイベントを各所でお伝えするべく集まった取材陣の方々も、後方で準備万端です。

丁度18時半になり、イベント開催の挨拶が始まりました!
まずは、平成25年度研究部長の宮崎真一郎さん(丸勘梨園)から。
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『梨業組合研究部では、日頃から梨の生産技術の講習会で集まって、メンバーの皆と活動してきました。部員同士で集まった時に「自分の家の梨は食べたことはあるけれど、よその家の梨は食べたことがない」という声が多く、ぜひみんなで梨を持ち寄って食べ比べることで、今後に生かそう!ということから始まったのが、このN-1グランプリでした。第2回目までは“幸水(こうすい)”という品種に限定していましたが、今回は新たな試みとして各自好きな品種を持ち寄ります。9月中旬は例年だと最も梨の品種が多く出揃う時期です。出品された品種は、計8種類になりました。ぜひ楽しく食べ比べていただければと思います。
また、子供たちだけではなく保護者の方にも審査権をお渡しするほか、飛び入り参加もOK!ということで、多くの方に審査いただけるようになりました。これを機に、気に入った品種や生産者を見つけていただいて、直売所まで足を運んでもらえるように、研究部活動もさらに頑張っていきたいです。』


来賓席から、八千代市梨業組合の江口組合長(まる桶 江口梨園)からも一言。
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『違う品種の梨を食べ比べて、一番おいしい梨をぜひ発見してみてください。若手農家の直売所マップもお手元にお配りしておりますので、皆さん朝採りの美味しい梨を求めて、気に入った直売所へ買いに行ってくださればと思います。ぜひゆっくり楽しんでいってください。』

今回のイベントからは、審査方法が大幅に変更されています。

【審査方法】
・出品された15名の若手梨農家の梨を食べ比べて、「おいしい!」と思った梨に投票。
・投票権は一人3票
・全員分食べていただくのが望ましいが、食べきれなかった場合は試食した中から選んで投票可
・全員の投票が終わった後、集計し、得票数の多かった順に1位(MVP:Most Valuable Pear Farmer:最優秀ナシ生産者)、2位(準MVP)、3位を決定。


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↑ 前回までに比べて、ルールがかなりシンプルになりました。

これが一番だ!と思った梨に、手持ちの3票すべてを投票してもいいし、迷ったら1票ずつ投票しても。
また、今回は生産者をPRするポスターが用意されたので、それを参考にするのもOK!
このスタイルなら、出品されたすべての梨を口に出来るし、子ども達にも分かりやすいルールですね。しかも、もっと参加人数が増えても対応できるので、今後もしかしたら昼のイベントとしてカタチを変えての開催も期待できそう!

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↑ 審査を始めてください!の掛け声とともに、まずは子ども達が梨をほおばり始めました。同じ「梨」でも品種で全然味が違うこと、そして品種が同じでも生産者が違えば味わいも異なること、気付きがたくさんの試食です!

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↑ 自分の梨に投票することを避けるため、生産者はポスターが見えないように、反対側に用意された梨を試食して投票します。

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↑ 投票は、各ポスターと同じものが貼ってある紙封筒に入れます。

出品された品種は、以下のとおりでした。
豊水(ほうすい):5名
秋月(あきづき):3名
二十世紀(にじゅっせいき):2名
南月(なんげつ):1名
新高(にいたか):1名
南水(なんすい):1名
新星(しんせい):1名
かおり:1名

甘みと酸味のバランスが良く、味わいが濃厚なメジャー品種「豊水」で勝負される方はやはり多かったのですが、思いのほか優しい味わいの二十世紀や新高といった品種をチョイスされている方もいて、少し意外に感じました。
食べ比べという審査方法だけに、かなり出品する品種によって大きく左右されそうです。
秋月なんてとにかく甘いし、特に子供には人気そうじゃない?

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↑ 一人も出品しなかった白鳥(はくちょう)をはじめ、出品者が少なかった品種については、参考のために審査対象外ですが試食が置かれていました。

生産者にも、今回の投票スタイルなどについてお話を伺ってみました!

Q. 今回ポスターを裏返しての食味審査でしたけれども、どうでしたか?
『さすがに品種は分かりますね。梨も横に置いてあるので、何となくどこの梨かというのも分かりましたけれど、味勝負!ですからね、そこは自分のところに・・・ということはなく、正々堂々とみんな投票したと思いますよ。』

Q.いろんな品種を出品するということでしたが、やっぱり消費者ウケの良さそうな品種を・・・などといった駆け引きとか考えたんですか?
『正式には公表されてませんでしたが、事前に何となくどんな品種を出すかというのは耳に入ってきていたので、出来るだけかぶらないように気を付けましたよ。やっぱりひとつの品種に偏るより、せっかく色んな品種が出揃う時期ですから、出来るだけ多くのものを揃えたい!という思いの方が強かったです。
ただ、梨はすべてカットされたものが出されますからね。かおりなんかは、皮の香りをぜひ楽しんでほしい品種なんでね、もちろん中身だけでは全く香りがしないわけではないんですが・・・そのあたりも、ぜひ気に入った味でしたら、直売所でかおり梨を手にしていただいて、ご自宅で剥くところから楽しんでいただきたいですね。』

Q.今年は10日ほど早い開花で、収穫もかなり早まっているということでしたけれど、栽培が難しかったとか何か苦労があったんですか?
『昨年の梨販売が終わる11月頃から、開花する4月頭位までの約半年間で木の手入れをするんですが、そこが大変重要なんです。大切な剪定(大きく美味しい実を生らせるために、枝を切ったりキレイに這わせたりして広がりを整える)は花芽がつく前までですから、今年開花が早かったので作業期間がかなり限られてしまいとても大変でした。
梨は開花後、何十日で食べ頃と決まっていますから、普通ならまだもう少し続く豊水のシーズンも終盤です。新高も早めに始まるので、10月下旬までは持たないかもしれませんね。
今回紹介した品種も、あと1週間程度で終盤に入ってしまいますから、ぜひ気になった梨があれば早めに直売所へ行ってみてくださいね。』

Q.ちなみに、品種が変わると肥料とか栽培方法も変えているんですか?
『うちは特に変えていませんが、肥料の量は多少様子を見て増減させています。品種によって、玉伸び(大きさ)が違いますから、大きくなるということはその分養分も沢山食いますからね、肥料を多く与えたりすることはありますが、基本的にはどの梨も同じように育てていますよ。』

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途中、どこからともなくチーバくんが登場!
投票を終えた子供たちが、どんどんチーバくんへ引き寄せられていきます。

開票作業を待つ間、子供たちには糖度計を使った簡単な実験で楽しんでもらいました!
『ポカリスエットとコーラ、そして梨を糖度計で計ると、どれが一番甘いかな?』
糖度計のセンサー部分に、スポイトで垂らして数値を見ていきます。
ポカリ 6.1
コーラ 10.4
梨 11.4

梨って、甘いジュースよりも甘いんだ!と、子ども達もビックリ。

さらに「梨の上と下、どちらが甘いかな?」という実験も。
カットして乗せてみると、上が13.2で、下は14.4と、差が出ました。梨には、おしりの方に糖分が溜まる性質があるそうですよ!

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2回目の実験が済んでほどなくして、審査結果が発表されることになりましたが、ちょっと予想外の展開に!
『なんと第一位が、同数になってしまいました!急遽、決選投票を行うことになりましたので、皆さんかなりお腹が一杯かもしれませんが・・・食味審査をお願いします!』

再度一枚ずつ投票用の券が配られることに。

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↑ 決選投票は、南水(なんすい)を出品した宮ア真一郎さん(丸勘梨園)と、かおりを出品した宮ア 修一さん(丸新梨園)の戦いとなりました。

9月の梨は、幸水に比べると結構大玉が多いんです。
今年は陽気が良かったので、輪をかけて大玉が出来やすかったので、1/8カットでもかなりの重量感!15軒分の梨を食べるだけでも、もう精一杯。
次回は1/16カットくらいでも十分かも・・・。

決選投票の開票作業中も、「もし食べたりない!という方は、ぜひまだ沢山梨が残っていますので、召し上がってください!」のコール。それに応える子供たち!!凄すぎる・・・。

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2回の投票を経て、ようやくMVPが決定しました!

投票結果
1位 南水(なんすい)を出品した、宮ア 真一郎さん(丸勘梨園)!!
2位 かおりを出品した、宮ア 修一さん(丸新梨園)!!
3位 秋月(あきづき)を出品した、宮ア 貴文さん(マル文 豊梨園)!!

でした!

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↑ 「受賞出来て嬉しいです。」と、言葉少なげながらも喜びが笑顔に溢れていました。

投票結果のあと、ほかの生産者の方にも感想を伺いました。

『他のみんなが出していなさそうなものを、あえて選んで出品しました。今回1位の南水も栽培してますが、40〜60個位しか収穫できないので、もし欲しいと買いに来ていただいてもお渡しできる数が無いため、あまり知られていない品種の中でも数が確保できる二十世紀にしたんです。
やはり甘さで勝負しようとしたら、豊水を出そう!となっちゃいますけれどね。
やはり今回は「多くの品種を食べ比べて欲しい!」というコンセプトがありましたら、つい勝負よりイベント性を重視してしまいました。
二十世紀は食べ比べてしまうと良さが見えませんが、さっぱりした味わいや、程良い歯ごたえが魅力です。特に、今年の豊水は甘みが多い一方で、かなり食感がゆるんでしまいがちでしたから、このさっぱりした食感もオススメなんですよ。』

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↑ 受賞するメンバーを喜ぶ研究部の皆さん。

『多分、今回でかなり「消費者の好み」を重視した苗の選定をしてくるんじゃないかな。
今までは幸水・豊水・新高という3大品種に限っていた人も、違う品種にチャレンジしようという意欲が沸く結果だったと思いますよ。接ぎ木して、大体5〜6年で収穫できるようになりますから。
また、例えば今回人気だった南水やかおりが売れ筋だと分かれば、その割合を今までより増やして陳列する直売所も出てくるでしょうし。
そういう点で、研究部にとっても大変有意義なイベントだったと思います。』

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帰りには、袋入り梨のおみやげが、事前予約者&当日飛び入り参加者全員に配られました!
梨が実質食べ放題なうえに、さらに梨のおみやげまで!!
これは梨好きにはたまらないイベントですわね。
今回参加を見送った、梨好きなアナタ!ぜひ来年以降のイベントに注目ですよ。


今回の出品者(出品番号順)
NO.1 秋月(あきづき)
/加藤 孝一【マル三 興梨園】村上753-1(TEL 047-485-0211)
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NO.2 豊水(ほうすい)
/齋藤 裕之【山中梨園】大和田新田735(TEL 047-459-7377)
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NO.3 南月(なんげつ)
/綱嶋 祐介【梨園またべー】村上684-2(TEL 047-485-1794)
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NO.4 豊水(ほうすい)
/宮ア 徹【マルト梨園】村上680(TEL 047-483-6360)
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NO.5 二十世紀(にじゅっせいき) 第1回MVP
/山ア 典正【まるきん梨園】村上745-1(TEL 047-482-4757)
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NO.6 新高(にいたか)
/山田 貴弘【山田梨園】大和田新田960(TEL 047-459-1851)
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NO.7 南水(なんすい) 今回1位!
/宮ア 真一郎【丸勘梨園】村上428(TEL 047-483-2739)
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NO.8 豊水(ほうすい)
/宮ア 歩【マル東梨園】村上856(TEL 047-484-9555)
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NO.9 新星(しんせい) 第2回MVP
/山ア 宏洋【山ア園】島田台803(TEL 047-450-7911)
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NO.10 秋月(あきづき)
/綱島 弘光【マル乃梨園】村上630-3(TEL 047-486-7484)
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NO.11 豊水(ほうすい)
/綱島 洋平【丸富梨園】村上495-1(TEL 047-483-0312)
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NO.12 秋月(あきづき) 3位
/宮ア 貴文【マル文 豊梨園】村上1037(TEL 047-486-1156)
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NO.13 二十世紀(にじゅっせいき)
/工藤 祐介【マル高 宮ア梨園】村上785-1(TEL 047-484-5641)
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NO.14 かおり 2位
/宮ア 修一【丸新梨園】村上683(TEL 047-483-6041)
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NO.15 豊水(ほうすい)
/白井 靖嗣【果秀園】島田台728-2(TEL 047-450-3212)
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〔関連レポート〕
2012年08月11日 一番うまい梨決定戦!『第2回八千代市N-1グランプリ』に行ってきました
2011年08月11日 第1回八千代市N-1グランプリ2011に参加してきました!



posted by やちなび子 at 00:00 | 千葉 🌁 | Comment(2) | やちなび取材のおまけ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
農業事務所の高橋です。いつも丁寧な取材と記事をありがとうございます(^^)
当日の臨場感が伝わってきてとても楽しめました。ありごとうございました。
Posted by 高橋 at 2013年09月17日 10:54
高橋さん、ご覧いただきまして有難うございました!
また来年以降の梨イベントも、ぜひ取材に伺わせてください^^
Posted by やちなび子 at 2013年09月17日 13:00
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